仕込み水の水質が発酵に多大な影響を与えるため、蔵元は水源の維持に神経を使います。
源流で豊かな自然環境が守られていることは、酒造りに良い影響を与えます。
 自然、環境、伝統産業がつながり、このような水のサイクルでわたし達の生活は守られているのです。

八百津町の豊かな自然環境は、酒造りをはじめとした醸造業を発展させると同時に、私たちに住みよい環境を与えてくれました。
豊かな土壌を活用して栽培された米と、森が育んだ美味しい水を材料として、ヒトの手によって作り上げられた酒のできあがりまでを辿ってみましょう。

experience01自然環境

日本酒の8割を占める水 【蔵元やまだ】 仕込み水の水質が発酵に多大な影響を与えるため、蔵元は水源の維持に神経を使うように、源流で豊かな自然環境が守られていることは、酒造りに良い影響を与えます。
 自然、環境、伝統産業がつながり、このような水のサイクルでわたし達の生活は守られているのです。
 そして米本来の旨味を最大限に引き出す造り手の技術と、積み重ねてきた経験が合わさる事によって蔵元の理想とする日本酒が醸されます。
八百津町の酒蔵「蔵元やまだ」の「玉柏 純米大吟醸」は、フランス人のワインソムリエが選ぶ日本酒コンクール「Kura Master2023」において、最高賞である「プレジデント賞」に輝きました。

experience02農業

水田が水を綺麗にし、住みよい環境づくりにも役立っています。 水田に水が張られると、微小なプランクトンが発生し、それを餌とする水生昆虫や巻貝、ドジョウ等が姿を現します。
畦(あぜ)ではイナゴ等の昆虫やそれを食べるカエルが見られ、それ目当ての鳥が降り立ち、ひとつの生態系をつくりあげます。
 このように、水田は多種多様な生物が生息する場所となります。また、水田に入った水は水田の土層がろ過する働きをしてくれるので、地下への浸透と田面から河川への流出を通して、入ってきた時よりきれいになります。
常に水をためている水田は、絶えず地下へ水を送っていることになりますが、地表の水が徐々に土にしみこみ(涵養し)、帯水層に地下水として蓄えらていきます。この地下水は河川の水量を安定させる働きもしてくれます。ほかにも水田は、地下水の量を一定に保って地盤沈 下を防いだり、洪水や土砂崩れを防ぎ、また、水蒸気を発散して気温の上昇を抑える働きもしています。

experience03ヒト

酒米づくりから知る水田の環境保全 【花盛酒造】  久田見に住んでいる若者集団「あおやぎ青年隊」が個々に仕事を持ちながらも協力し合い、高原の大自然と男たちの情熱で凛々しく育った酒米を使用し、醸造されたお酒が「久田見」です。
 兼業農家育ちの久田見の井戸正秀さんには田んぼをする技術の土台は身についていましたが、地元同年代で田植え経験がある人は一割程度。
 技術継承がないという現実が目の前にあり、休耕田は増えていくばかり。若い世代が田んぼづくりを経験するという活動だけでも意味があるはずと、自ら先頭に立って酒米づくりをしていくことに決めました。

experience04歴史

舟運で栄えた町の地酒 山国の特産物は黒瀬街道を人馬に背負われ、中継地の久田見を経て木曽川の黒瀬湊へと運ばれ、舟に積まれて下流各地へと送られていました。そして下流に着いた舟には、塩などの移入品が積み込まれ、満帆に風を孕めて上航し、黒瀬湊からは陸路で山国へと運ばれました。
物流のハブとなり、人も行き交うようになったこの場所では、東西文化の交流が盛んに行われ、様々な人が集い、酒を呑みかわすことで交流を深めていました。

experience05地元の味

「80%が山の町」で採れるもの。郷土料理と地酒を味わう ほお葉や酢飯の持つ殺菌効果で日持ちがするため、八百津では野や山で仕事をする際のお弁当として造られることが多かったほう葉寿司。食材が乏しくなる冬の保存食としてつくられた「こうじ漬け」は、どうしても不足する冬季のタンパク質を得るという必然性から、野鳥やスルメ、揚げなどが主な材料とされていました。
ここにあるものを上手に活用し、長く受け継がれてきた地元の味は、人達の暮らしに、必要とされ、受け入れられてきたものばかり。  八百津の味と、地酒を合わせて、八百津をまるごと楽しみましょう!


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