養蜂家からみた自然環境

 ミツバチかは花から花へ飛んで花蜜を吸うことで草花の受粉を促し、植物の育成には欠かせない役割を果たし、近隣の自然環境に大きな影響を及ぼしています。花紛を運んで農作物を実らせるミツバチがいなくなったら人類の生存迄も脅かされることになると言われています。そして、いま地球温暖化や環境破壊が叫ばれる中、人間の経済活動は豊かな自然環境の上に成り立っているということをもっと考えていかなければならない時であり、その上でもミツバチは無くてはならない存在なのです。

 近年、世界各地でミツバチが原因不明の大量死や突然いなくなる「ミツバチ崩壊症候群」などという不可解な現象が報告されています。日本もミツバチの減少は例外ではなく、農家から「最近ミツバチを見かけなくなって農作物の成りが悪い」という声をよく耳にします。

 私たち養蜂家がミツバチを通しミツバチが安心して住むことのできる環境の大切さや、ミツバチは蜂蜜やローヤルゼリーなどの栄養分や金銭収入だけでなく「作物の受粉による食糧の供給」と「豊かな自然環境の生育」という大切な恵みを、私たちにもたらせていることを子供たちをはじめ多くの人に伝えていきたいと思っています。

永田養蜂

永田養蜂は岐阜県東部の木曽川のほとり、四方をの山に囲まれた山深い里山八百津町にあります。
そんな大自然の野山に咲く花々から採れた天然はちみつは、春には山桜、初夏からアカシア・とち・百花など、移り変わる季節の味と香りを楽しむことができます。
永田養蜂では、採れたはちみつそのままの完熟した上質なはちみつをお届けしています。

25年ほど前に趣味が高じて養蜂の魅力にはまり、公務員を早期退職して養蜂家に転職。
始めた当初は順調だった養蜂稼業でしたが、突然農薬などが原因と言われる「ミツバチ崩壊症候群」
の被害にあい、蜂郡の減少や、ハチミツの収穫減などの苦境に立たされるも幾多の苦難を乗り越え、蜂群を増殖し現在に至っています。

 永田養蜂ではハチミツの採集だけでなく、ミツバチが自然界で果たす役割の大切さなどを多くの人に伝える活動もしています。

 永田養蜂のハチミツは主に地元八百津町の里山で採集した百花や山桜、近隣で採取したアカシアやとち、そよごハチミツなど、そのままのこだわりの天然ハチミツのみを販売しています。

農林水産大臣賞受賞/令和6年10月24日

受賞者を代表してひと言御礼申し上げます。
私は養蜂を始めて25年になりますがこのたびの栄誉をいただけたのはひとえに師匠の教えがあったからだと心から感謝しています。
その師匠からいつも言われていたことは「ハチ屋は毎年が1年生やでな」と言われたことです。私はこの意味を初心を忘れるなということだと思って今日まで来ました。

 養蜂家のみなさんは誰しも養蜂を始めた頃の大自然の中を駆け巡り、ハチ作りの楽しさや1年の苦労が実る採蜜のうれしさや感激があったことと思います。私もこのときの気持ちを忘れず今後の養蜂業に取り組んでいきたいと思っています。

 養蜂業の職場は自然の中にあり天候に左右され目立たない地味な仕事ではありますが、みつばちが生産するはちみつは人々の健康の支えとなり、みつばちの受粉による農産物は食料の増産につながっています。

 今日みつばちの生産物は人々の生活に欠かせないものとなっており養蜂家の仕事は非常に社会貢献度の高い仕事であると思っています。

 中村会長が常に言われている言葉が3つあります。
ひとつは養蜂発祥の地岐阜県の養蜂産業を衰退させてはならない。ふたつは後継者の育成について、高齢化している養蜂業界に若い養蜂家を育てられる魅力ある養蜂業にしていかなければならない。3つ目に環境の変化に適応できる養蜂家でなければならない、地球温暖化による環境の変化は過去のやり方が通用しなくなっており常に新たな手法や対策が必要である。

 この3点の中村会長の言葉を肝に銘じ岐阜県養蜂の発展に尽力していく所存です。

 最後に私たち養蜂家は養蜂発祥の地と言われるこの岐阜県で養蜂業ができることに喜びと誇りそして使命感をもって日々精進する覚悟です。本日は誠にありがとうございました。

永田養蜂 永田 道雄

※岐阜県は「近代養蜂の発祥の地」として知られており、明治時代から養蜂が行われてきました

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